OKRを導入し定着させるには
OKR未導入のスタートアップ、ベンチャーの方と話すと、「OKRよさそうですよね〜」といった声を聞く。
自社のOKR導入に携わったので、現場の視点で導入・定着のポイントをまとめてみる。
OKR導入を検討されている方の参考になれば、、。
結論
OKRは銀の弾丸ではなく、合うか合わないかはその会社次第。
OKRの良いところ
自分なりのまとめ↓。
- 全社ミッションと目の前のタスクとの関連性がわかる。
- 他人・他部署のミッションを把握できる。
- 個人のミッションに集中できる。無駄なことをヤラなくてすむ。
- 設定を壮大にすると、発想が大胆になる。
- 施策(の細部)を検討するときに、大方針を確認できる。
OKRを導入しても定着しないケース
こんなケースだと、OKRは定着しない。
1)業務整理できておらず、一人何役もこなす状況
例えば、OKRでは◯◯がメインミッションだが、それ以外に雑務タスクがたくさんある状況。このケースでは、マネージャーが部下にOKRの意義を説明できない。現場の士気が下がり運用が破綻する。
2)OKRを「単なる目標分解のフレームワーク」と捉えてしまう
この場合、個人のKRに具体的な施策が設定される。評価基準は、数多くこなしたか、とか、予定より早く実現したか。これだと生産性は高まるかもしれないが、大胆な発想は出てこない。OKRのメリットが損なわれるので、わざわざ導入しなくてよい。(MBOでいい)
3)不確実なチャレンジがしにくいカルチャー
OKRは現場にチャレンジを求める。チャレンジが推奨されないカルチャーとは相反する。「ミスしたら怒られそう」とか「他人から見えないようにSlackのPrivateチャンネルで話そう」とか、そういったマインドのある会社では、OKRは定着しない。社内政治力が必要な会社でもOKRは定着しない。
OKRではカルチャーを変えられない。カルチャーを変えられるのは、仕組みではなく「熱量をもった人」。
OKRがFitする会社
こんな組織だと定着するんじゃないだろうか。
1)組織としても個人としても、やることがシンプル
OKRに関連する業務に集中できる。どんな手を使ってもいいから(※)目標を達成しよう、というマインドが生まれる。
(※・・・もちろん法律の範囲内で)
2)現場が具体的な施策を考え実行できる環境
Objectiveには壮大な目標をが設定されているので、今までやったことがない大胆な打ち手を考えるようになる。
3)失敗に寛容
今までやったことがないことをやるので、必ず失敗する。「小さな失敗をへて大きな成功をつかむ」。
OKR導入担当者が考えるべき事
「どうやったらOKRを定着させられるか?」
ではなく
「どうやったらOKRが定着するような組織になるか?」
を考えるといいのではないか。
OKRのことだけを考えていても定着はしない。
まとめ
OKRは銀の弾丸ではない。
OKRがハマれば会社・個人の成長に繋がる。 ただし、合わないケースも多々あるので、その時はさっと捨て、いつかまた導入する。
参考書籍
よく読まれてるのはこちらのようですが
OKR(オーケーアール) シリコンバレー式で大胆な目標を達成する方法
- 作者: クリスティーナ・ウォドキー,及川卓也(解説),二木夢子
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2018/03/15
- メディア: 単行本
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ジョン・ドーアの「Measure What Matters」のほうがおすすめ。 OKRの基本から応用(例えば、期の途中でもOKRを変えていい、とか)が書かれており、OKRの設定例も豊富に掲載されている。 また、OKRが組織や文化と非常に密接に関係していることも理解できるはずだ。
Measure What Matters 伝説のベンチャー投資家がGoogleに教えた成功手法 OKR (メジャー・ホワット・マターズ)
- 作者: ジョン・ドーア,ラリー・ペイジ,土方奈美
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2018/10/16
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